「帝王切開」は、母体や胎児のトラブルや、自然分娩が難しいと医師が判断した場合に行なわれます。
お母さんの腹部と子宮を切開し、赤ちゃんを取り出す分娩方法ですが、経膣分娩(自然分娩)と比べて出産費用が高くなります。
では、帝王切開の費用とはいくらかかるのでしょうか。
帝王切開の費用を抑えるコツと併せてご紹介いたします!
帝王切開の費用はいくらかかるの?

帝王切開には2種類あります。
あらかじめ日時を決めて行なう「予定帝王切開」と、出産時に自然分娩から切り替える「緊急帝王切開」です。
<帝王切開となる状況>
- 逆子
- 巨大児
- 前置胎盤
- 高齢出産
- 母体感染症
- 前回の出産が帝王切開だった
- 双子などの多胎妊娠
- 回旋異常
- 胎児の健康状態の悪化 など
予め帝王切開が決まっていれば気持ちと費用の準備ができますが、いきなり帝王切開になったら焦りますよね。
特に、費用については「払えるかしら・・・」ととても不安になると思います。
それでは、帝王切開にかかる費用を見ていきましょう。
帝王切開にかかる費用は2種類に分けられる

出産費用は出産方法以外にも、出産した時間や入院日数・地域や施設によって大きく異なります。
経膣分娩は全額自己負担となりますが、多くの場合は国からの補助金+α程度で収まります。
しかし帝王切開の場合は、「保健適応診療費用」と「自己診療費用」の2種類に分けられ、その金額差は前述した条件によって異なります。
<保健診療費用>
投薬代や手術・処置・検査・入院料などの費用が、保健で7割まかなわれ、被保険者は3割負担のみになります。
<自己診療費用>
入院の際の部屋や食事代、分娩介助料や新生児保育料、および検査料などは、保健でまかなわれず全額自己負担となります。
帝王切開の場合は、保健適応でまかなわれた後の3割負担と、自己診療費用を支払う必用があります。
帝王切開にかかる費用

帝王切開の場合は、通常の経膣分娩にかかる費用に、プラスして手術代がかかります。
病院によって異なりますが、多くの場合は40~100万円前後かかる場合が多いです。
帝王切開は、お母さんのお腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術となるため、入院日数が経膣分娩よりも多くかかります。
ベッド代や食事代などが経膣分娩より多く必用となるため、全額自己負担の「自己診療費用」が高くなる傾向にあります。
しかし、手術代は保健が適応されるため、入院日数によって多少の負担はあるものの、「高額医療費制度」などで経膣分娩と大差ない費用に抑えることができます。
では高額医療費制度以外に、帝王切開の場合はどのような助成を受けることができるのでしょうか。
帝王切開で出産費用を抑えるコツとは
妊婦検診は公費でまかなわれるので、窓口で支払う金額を抑えられて助かったという人が多いですよね。
妊婦検診と同様に、出産費用も公的な助成金によって補助されます。
経膣分娩・帝王切開の両方で適応されるものもありますが、今回は帝王切開のみに適応される助成制度をご紹介いたします!
高額医療費制度

帝王切開は、保健上「病気」とされるため保健が適応されます。
そのため、「高額医療費制度」を利用することが可能です。
高額医療費制度とは、1世帯において1ヶ月の間に支払った医療費(保健適応の自己負担額)が限度額を超過した場合に、その超過分の費用が支給される制度のことです。
<高額医療費制度の気をつけたいポイントとは>
高額医療費制度は、保健が適応される手術た処置代などの費用にのみ適応されます。
そのため、ベッドや食事代などの「自己診療費用」は適応されないため注意が必要です。
また、限度額の計算は毎月1日~月末までと区切られています。
そのため、月末に手術を行い、翌月まで手術の後処置がまたいでしまった場合は、帝王切開に関する費用を、月ごとで計算しなければいけないので注意しましょう。
加入している医療保険

帝王切開の手術は、前述したように保健上「病気」となります。
そのため保健が適応されるので、民間の医療保険の保健も適応範囲となります。
手術の保障がある保険に加入している場合は、帝王切開が保障適応となるため、給付金を受け取ることができます。
しかし、医療保険は原則として妊娠中は加入することができません。
また、帝王切開1度行い、2人目以降も帝王切開となる可能性が高いため、2度目は給付金が受け取れないなどの制約がついている保険商品が多くあるので注意が必要です。
まとめ
「帝王切開はお金がかかる」というイメージがありますが、帝王切開は保険上「病気」とされるため、保健が適応されます。
高額医療費制度や、民間の保険会社の保障範囲となるため、結果として経膣分娩と変わらない費用となることが多いんですよ!
これから帝王切開で出産を迎えられる方や、万が一の緊急帝王切開について不安を感じている方。
安心して元気な赤ちゃんを出産するためも、今回ご紹介した内容を参考に、今一度余計な不安のない出産のために夫婦でよく話し合ってみてくださいね♪
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