どんなに気をつけていても、子どもの「火傷(やけど)」は思いがけない状況で起きてしまいます。
子どもが火傷してしまった!そんな時すぐに対応できるよう、応急処置の方法を知っておきましょう!
■目次
子どもが火傷した!すぐにすべき応急処置の方法は?
火傷したら時間との勝負!ただちに応急処置を行いましょう!
①自宅の場合、応急処置の方法はとにかく水で冷やす!時間は15~30分!

子どもが熱いものに触れた場合、まずは急いで冷やすこと!皮膚の見た目に異常がなくても、とにかく洗面台やシャワーの水で冷やし続けましょう!
冷やす時のポイントは次のとおりです。
- 服を着ていたら、服は着たままでOK!(無理に服を脱がせると火傷部分の皮膚も剥がれることがあります)
- 子どもが泣いて嫌がっても、まずは冷やすこと優先!
- 直接水をかけると水圧で皮膚を傷つけるので、服の上からかけるか、洗面器に水をため、水を流し続ける。
- 人手があれば、同時進行で皮膚科に行く準備を始める(診療時間の確認、保険証の準備、予約、近所の救急外来を調べる)
- 顔や頭など流水をかけにくい部分は、氷水で冷やしたタオルを当てる
- 氷や氷のうで直接患部を冷やしてはダメ!(凍傷を起こします)
こんな応急処置商品もあります↓↓
[wpap service=”with” type=”detail” id=”B000YZQR12″ title=”【第2類医薬品】アッチQQ 40g”]②すぐに皮膚科受診の準備を!
どんなに軽い火傷でも、できるだけ跡を残さないために皮膚科は受診しておくことをオススメします。
火傷はあとから酷くなってくることがほとんどなので、ある程度冷やし終わったら、なるべく早く病院を受診しましょう!

次のような場合は救急車を呼んですぐさま対処しましょう。
- 重症(Ⅲ度以上の熱傷)だと思われる場合
- 火傷の範囲が広範囲である
- 子どもがぐったりしている
やけどしてすぐは見た目に異常なし!後から皮膚が剥がれてくることも!

火傷は、起こってすぐはあまり皮膚の異常がなくても、時間の経過とともに赤みが増したり皮がめくれたり水疱ができたりと症状がひどく出てきます。
我が家の場合も、火傷してすぐは皮膚が少しピンクになってるくらいで、流水で冷やしながら病院に行ったほうがいいか迷う程度でした。
とりあえず近所の皮膚科に行くことしましたが、病院に着いた頃(火傷から約1時間後)には火傷箇所は皮膚が剥がれ、真っ赤に腫れていました。水ぶくれも少しずつ出来始めていて、早めに病院に来ていてよかったなと感じました。
やけどの程度はどのくらい?深さと症状は?

火傷は、その症状・程度から、大きく三段階に分けられます。
度数が大きくなるほど重症ということです!
「Ⅰ度熱傷」は皮膚が赤くなる程度!
Ⅰ度熱傷は軽い火傷のことをいいます。
- 表皮だけの浅い熱傷
- 火傷した部分の皮膚が赤くなる
- 腫れがある
- ヒリヒリとした痛みがある
- 数日で自然に治り、やけど跡は残らない
- 日焼けもⅠ度熱傷に含まれる
「Ⅱ度熱傷」は水ぶくれができる!
Ⅱ度熱傷はさらに細かく「浅達性Ⅱ度」と「深達性Ⅱ度」に分けられます。
まず「浅達性Ⅱ度」は、次のようなもののことをいいます。
- 表皮低層(真皮上層)までの火傷
- 火傷した部分の皮膚が赤くなる
- 腫れたり、水ぶくれ(水疱)ができる
- 水疱がやぶれてびらん(ただれ)状になることもある
- 強い痛みや灼熱感がある
- 色素沈着などが起きるが、だいたいⅢ習慣ほどで火傷痕があまり残ること無く治癒する
「深達性Ⅱ度」はもう少し深い熱傷のことです。
- 真皮深層までの熱傷
- 発赤、水ぶくれ、びらん、浅い潰瘍などが起きる
- 痛みは軽度
- 水ぶくれの下の皮膚が白くなる
- 治癒にはⅠヶ月異常かかる
- 軽度の跡が残る
「Ⅲ度熱傷」は皮膚全層の壊死!
Ⅲ度になると重症です。
- 皮下組織(皮膚の深いところ)までの火傷
- 痛みはほとんどない(神経まで死んでいるため)
- 肌の表面が壊死している場合もある
- 表面は白く乾燥または焦げている
- 水ぶくれはできない
- 火傷跡はケロイド状(皮膚が盛り上がったような跡)に残る
- 機能障害が起こる場合もある
こどもがやけどするのはこんな時!

どんなに気をつけていても、起こる時には起こってしまう事故。
子どもが思いがけず「やけど」をしてしまう場面として、次のようなものがあります。
- テーブルの上の熱いお茶をこぼした
- ママがフライパンを持って料理していたら、振り返りざま後ろにいた子どもに当たった
- もの珍しさで炊飯器の蒸気に触ってしまった
- 鍋や、グラタン皿など、熱い容器に触ってしまった
- アイロンに触ってしまった
- ウォーターサーバーのお湯を出して火傷した
- 洗面台のヘアアイロンに触ってしまった
- 熱いファンヒーターに触った
- アイロンに触ってしまった
【体験談】「まさか!」と思った時にはやけどしていた!気をつけていてもやけどはするもの!

我が家でも、もちろん日頃から熱いものには十分気をつけていたつもりでした。しかし、息子は火傷をしてしまったんです。
休日、家族揃ってのんびり過ごしながらの15時のおやつタイムでした。
テーブルの上に淹れたてのお茶を置いてましたが、子どもの手が届かないよう、テーブルの端ではなく真中あたりに置いていました。
触らないよう近くで見ていましたし、息子も3歳となるとしっかり分かってるようで触る様子はなかったので少し油断していたかもしれません。
そして息子が私の膝に座ろうとしたその次の瞬間!バランスを崩して後ろに1回転する勢いで転がり落ちました!
バタついた手がテーブルにあたり、その勢いでテーブルの上にあったお茶を倒し、息子の右手と右胸にバシャッとかかってしまいました。
息子は大泣き!「あつい~~~!!!!あつい~!」と叫んでいました。慌てて私たち夫婦は浴室に行き息子の手や胸をシャワーの水で冷やし続けました。
「遠くにあるから」「届かないはず」「物分りのいい年齢だから」なんて思ってても火傷はするんです!!
やけど治療の通院、処置の方法、お薬は?
子どもの火傷に対し、病院ではどんな処置が行われるのでしょうか?
病院での熱傷処置

はじめは「Ⅰ度熱傷」くらいに思っていましたが、時間とともに皮膚がめくれ赤くなり、水疱もできてきました。
どうやら「浅達性Ⅱ度」または、場所によっては「深達性Ⅱ度」くらいの火傷をしていたようです。。
病院では次のような軟膏処置が行われました。
- デルモゾールG軟膏塗布
- チンク油塗布+天花粉(ベビーパウダー塗布)
- ガーゼ保護+包帯保護
デルモゾール軟膏は合成副腎皮質ステロイド剤。抗炎症作用・抗生物質により皮膚の炎症や感染を抑えます。
チンク油(ホエイ)とは酸化亜鉛のことで、炎症を抑えて肉芽形成・表皮形成を促進させ、皮膚疾患を改善する効果があります。白くてペタペタした糊のような軟膏で、塗布後は上からベビーパウダーをつかたガーゼでポンポンと粉をかけていました。
その上からいったんガーゼで覆い、包帯を巻きます。
家では軟膏塗布と内服治療を!ビタミンで跡を残さないように!
家でも病院と同じような処置を続けます。
朝とお風呂上がりの2回/日、軟膏塗布とガーゼの巻きかえをしていきました。

軟膏を幹部に塗って、ベタベタするのでガーゼを1枚巻きます。


その上から包帯で固定します。

皮膚症状がよくなってくるにつれ、軟膏の種類も軽いものに変わっていきました。
- 1週目:デルモゾール軟膏+チンク油
- 2週目:デルモゾール軟膏+チンク油
- 3週目:エクラー軟膏+ゲンタマイシン軟膏
- 4週目:エクラー軟膏+ゲンタマイシン軟膏
同時に、内服も行っていました。

お薬はおもに抗生剤とビタミン剤です。
- セルテクトドライシロップ:抗アレルギー剤(かゆみなどを防ぐ)
- リボフラビン酪酸エステル細粒:ビタミンB2
- シービー配合顆粒:ビタミンCとパントテン酸カルシウムの複合ビタミン剤
- トラネキサム酸細粒:抗炎症、抗アレルギー剤
- ミヤBM細粒:整腸剤
- リネステロン酸:抗炎症、抗アレルギー剤
- フロモックス小児用細粒:セフェム系抗生物質
これらはすべて配合細粒として1包にまとめられていました。お薬ゼリーなどで内服できていました。
少しでも跡が残らないように、皮膚生成を助けるビタミン剤がしっかりと入っていました。
子どものやけどは保険適用になる?

今は子ども医療費助成制度のおかげで、自治体によって差はあるものの、子どもの医療費はほとんどかからなくなっています。
しかし、医療費はタダでも、子どもの「火傷による通院」で保険がもらえることがあるんです。
我が家では子どもたちを「コープ共済」の「たすけあいジュニア20」というコースに加入していました。いつも来る生協のお兄さんに聞いてみると、火傷による通院でも保険はおりるとのことでした。
「コープ共済」の場合、電話して専用用紙を送ってもらい、記入後は病院の領収書のコピーと一緒に返送するだけの手続きできました。
保険請求のために通院時の書類はとっておくこと!
- 診療報酬明細書
- 領収書
これらの書類は捨てずにとっておくようにしましょう!
我が家の3歳児、その後のやけどの経過は?跡はどのくらい残る?
火傷の治療はちょうど1ヶ月ほどで終了しました。

2ヶ月目。皮膚のただれ、皮剥けは収まり、きれいな皮膚に生まれ変わりましたが、今でも跡はうっすら残っています。

腕は。言われなければわかりにくい程度。胸はわかりやすく残ってしまいました。

このような感じです。
やけどは時間との勝負です。とっさに対応できるよう、知識を持っておくのは大切だなと感じました。