育児しながらの日々のなか、「最近なんだか手首が痛い」なんてことはありませんか?それって腱鞘炎かもしれません。放っておくと悪化してしまうおそれもあります。早めに対処していきましょう。
育児中の手首の痛み、これって腱鞘炎?
育児中になりやすいのが親指から手首にかけての痛みが出る狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病)です。親指を広げると手首の親指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がります。
狭窄性腱鞘炎はその母指側の線である短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある腱鞘を通るところに炎症が起こった状態のことをいいます。
【見分け方】手の親指を他の4つの指で握ったままグーをつくり、手首を小指側に曲げた時、痛みが強くなるようなら腱鞘炎です。(フィンケルシュタインテスト)
なぜ腱鞘炎になるのか?
育児中は赤ちゃんを何回も抱っこしたりおろしたり、おむつを替えたり、家事をしたりと手を使うことが多く、手を使い過ぎて腱鞘炎になり、繰り返してしまうことも多いそうです。
それ以外にも女性ホルモンの影響が原因になっている場合があります。女性ホルモンのひとつであるプロゲステロンには産後、出産のためにゆるんだ子宮や骨盤を元に戻す効果がありますが、ホルモンは全身に影響するため、出産と関りない部分でも腱鞘が狭くなり、腱鞘炎を起こしやすくなります。
これは出産後も数ヶ月続くことがあります。
どうすれば治る?
腱鞘炎の治療としては、局所の安静(シーネ固定も含む)、投薬、腱鞘内ステロイド注射などの保存的療法を行います。改善しないときや再発を繰り返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行います。
しかし、子育て中であれば、痛くても赤ちゃんを抱っこしないわけにはいかず、安静は難しいですよね。また、授乳中であれば投薬やステロイド使用も難しいでしょう。
以下には子育て中でもできる腱鞘炎対策をご紹介していきます。
- 腱鞘炎予防のストレッチ:?手首が痛む方の親指を反対の手の親指と人差し指でつまむようにもつ。この時つまむ方の親指は痛む方の手の親指の外側の第一関節に当てる。?痛む方の親指を外側にそらすようにしながらゆっくり押す。?他の指も外側にそらすようにしてゆっくり押す。?手首を前後にそらして手首の筋肉を伸ばす。
- 医療用サポーター:腱鞘炎治療のためのサポーターがあり、病院または薬局で販売されています。手首の保護をしてくれます。
- 湿布:授乳中の湿布薬の使用は微量ですが影響があります。とはいってもほとんど気にしなくてもいいレベル。
- 鎮痛・抗炎症剤(塗り薬):薬局などで販売している鎮痛・抗炎症剤などの塗り薬。わずかながら成分の母乳への移行はありますが、経口鎮痛剤と違いほとんど気にしなくてもいいレベル。
- マッサージ:炎症によって血液の循環が悪くなっているのを、マッサージによって改善してあげることができます。お風呂あがりなどに、手のひらや腕全体、肩や首まで広くマッサージしてあげることで血行をよくします。
病院受診もひとつの方法。
家庭でセルフケアを行っていてもよくならなかったり、悪化するようであれば、一度整形外科を受診し相談してみることをおすすめします。薬剤使用や手術以外にも、いろいろな方法を提案してもらえるでしょうし、何より医師に診てもらうことで安心感も生まれます。
育児の悩みやストレス、疲労はなるべく溜めないようにしていきたいですからね。
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