産まれて間もない赤ちゃんのかわいさは格別ですよね。
その中でも、新生児ならではの様々な反射は、私達大人を癒してくれます。
これら赤ちゃん特有の反射の中でも、ビックリしたような動きを見せるモロー反射が有名ですよね。
今回は、モロー反射とその後の反射をご紹介いたします!
赤ちゃんのかわいい反射とは
赤ちゃん特有の反射を「原始反射」と言います。
胎児から乳児の間に存在していて、生き残る手助けになる反射のことです。
これらは、赤ちゃんの意思とは関係なく起こります。
赤ちゃん特有のかわいい反射は、有名なところだとモロー反射ですが、他にはどのような反射があるのでしょうか。
モロー反射

モロー反射は、赤ちゃんの反射を代表する動きです。
オーストリアのエルンスト・モロー医師が発見したことから、この名が付けられました。
音や光に対して、赤ちゃんが突然腕を前に出し、何かに抱きつくとうなしぐさをします。
目が覚めていても、眠っていても行なう反射ですので、突然モロー反射をしてビックリしたお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
モロー反射の後に、ビックリして泣いてしまう赤ちゃんもいます。
もしくは、お母さんが見当たらなくて不安で泣いていることもあります。
モロー反射のあとに赤ちゃんが泣いたら、優しく抱きしめて安心させてあげましょう。
把握反射

把握反射とは、赤ちゃんの手に何かが触れたら、それを握り替えそうとする反射です。
この反射は、モロー反射に次いで代表的な反射になることから、1ヶ月健診の項目にも含まれています。
把握反射は、母猿に子猿がしがみつくように、人間の祖先に備わっていた反射の名残と言われています。
足の裏でも同じような反射が見られます。
足の裏の指に近い場所を刺激すると、足の指をまげて握ろうとしますよ!
- 把握反射とは、赤ちゃんの手のひらに指などを入れるとギュッと握る反射のこと。
- 足の裏でも同じような反射が起こる。
- 手の把握反射は生後〜3、4ヶ月頃まで。足の把握反射は生後〜9、10ヶ月頃まで残る。
吸綴反射

吸綴反射(きゅうてつはんしゃ)とは、その名の通り吸うことへの反射を指します。
赤ちゃんは口触れたものを無意識に加えて吸い付こうとします。
これは、おっぱいから母乳を吸いだすために備わっている動きで、哺乳瓶からミルクを吸う場合にも必用な反射です。
吸綴反射に類似する反射として、赤ちゃんの口の周りに触れると、無意識にその方向に頭を回して口を開く「探索反射」
赤ちゃんの口の周りを指で触れると、舌と唇を使って加えようとする「捕捉反射」があります。
- 探索反射:赤ちゃんの空腹時に口元に指やものなどが触れると、触れたものを探すようにその方向に頭を向け口を開く反応。ママのおっぱいを探そうとする反射運動で生後1年頃で消失。
- 捕捉反射:口元に指などで触れると、探索反射の次に、唇と舌でくわえようとする反応のこと。
- 吸てつ反射:モノを口でくわえるとチュパチュパと吸い始める反応のこと。生後1年くらいに消失する。
歩行反射

歩行反射は、自立歩行反射とも呼ばれていて、新生児の両脇を支えて体を立て、足を床に付けて、少し前かがみの姿勢にすることで、まだ歩けない赤ちゃんがあるこうと足を交互に動かす動きのことを言います。
バビンスキー反射

バビンスキー反射は、足の裏をとがったもので踵から足先にむけてゆっくりとこすると、足の親指が曲がり、他の4本の指が広がる動きを言います。
これは、木の上で生活していた猿の頃の名残で、危険が降りかかったときに木をつかむためと考えられます。
この反応は見れる期間は長く、1~2歳頃まで見ることができます。
- 足の裏をかかとから爪先に向けてゆっくりこすると、足の親指が足の甲の方にゆっくり曲がり、他の4本の指は外側に開く反射のこと。
- 出生時には存在し、2歳頃に消失する。
原始反射はいつ頃まで見れるの?

前述したこれらの原始反射を見せてくれるのは、とても嬉しいことですよね。
かわいくて、つい何度もやってしまいます。
しかし、これら原始反射を見られる期間はだいたい決まっているため、いつまでも同じような反射を見せてくれるとは限りません。
これら原始反射は新生児期からみられるようになり、遅くても生後2~3ヶ月頃までには見られるようになります。
反射の種類によっては、胎児の頃から見られるものもあります。
赤ちゃんの脳や中枢神経の発達により、原始反射は少しずつ見られなくなっていきます。
だいたい4~6ヶ月頃には、消失することが多くなります。
緊張性頸反射
- 仰向けに寝ている状態で、頭を左右どちらかに向けると、顔を向いた方の手足は進展させ、反対側の手足は屈曲させる反射のこと。
- 生後6ヶ月〜1年頃までで消失する。
自動歩行反射
- 赤ちゃんの脇の下を支えて足の裏を床につけ、体全体を前傾させると、左右の下肢を交互に出して歩いているような動作をする反射のこと。
- 生後2ヶ月程度で消失する。
引き起こし反射
- 両手を持ってゆっくりと上体を引き起こすと、首が座っていない新生児でも、少し頭を引き起こす動きをみせる反射のこと。
- 生後1ヶ月頃で消失。
原始反射で分かること
原始反射は、赤ちゃん特有のかわいい反応というだけではありません。
原始反射の様子から、中枢神経の発達や異常の診断をはかる目安にもなります。
そのため、各健診で原始反射を見ることが多くなるんですね。
これら原始反射があるべきなのに見られない場合や、反射にあきらかな左右さが見られるなどの場合は、脳性まひなどの脳の障害の恐れが考えられます。
また、いつまでも原始反射が消失しない場合は、適切に脳の発達が進まず発達障害の影響がある場合もあります。
気になる場合は、小児科医に相談するようにしましょう。
まとめ
赤ちゃん特有の原始反射は、とってもかわいいですよね。
原始反射は遅くても生後2~3ヶ月頃から見られるようになり、生後4~6ヶ月に消失していきます。
<赤ちゃん特有の原始反射>
- モロー反射
- 把握反射
- 吸綴反射
- 歩行反射
- バビンスキー反射
これら原始反射で分かることは、中枢神経や脳の発達です。
原始反射にあきらかな左右さがある場合は脳性まひの恐れがあります。
また、いつまでも原始反射が消失しない場合は、発達障害の恐れがあります。
少しでも気になることがあったら、小児科医に相談するようにしましょう!
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